※このプレイ日記は2019年9月29日に後援者の柳さんが製作したものです。
定めに従い生まれ落ち、命ずるままに駆け抜けて
見送られる事無く消えて行った・・・
ある一頭のサラブレッドに捧ぐ。
第2020弾
ウイニングポスト8
マインダダという馬がいる。
いや・・・そう言う名の馬が、佐賀競馬にいた。
地方競馬に所属していた、ほとんど世間に知られる事も無かった一頭。
通算成績は24戦0勝。
1勝も上げる事無く、競馬場から姿を消していった。
それが、マインダダという競走馬だ
だけど、
我らがガードリーダー隊長が愛して止まなかった一頭だ。
本プレイ日記では、PS3ウィニングポスト8を舞台に復活した、
マインダダの仮想戦記を描いてみたい。
≪メッチャ未来やんけ・・・≫
久々にPS3版ウィニングポスト8を起動させると、ゲーム内時間が
2027年だった。
誤算だ・・・。
マインダダを元に極力似た再現するつもりだったが、
これでは不可。
また、ゲームを1からやり直すと昭和からスタートする事になるので、
これもまた手間がかかり過ぎる。
なので、未来に転生したという体で、極力似た血統の配合を
行うことにした。
母馬は【アドマイヤメイド】という馬を探し出した。
本馬は、父グラスワンダーという点はダダの配合と同じ。
母父は名馬ダンスインザダーク。
本物のマインダダだと、ここにサンデーサイレンスが入っているので、
これも似せたつもりだ
※ダンスインザダークはサンデーサイレンスの子
≪ウマ娘だと男ウマでも女の子(苦笑)≫
そして、配合する父には勿論キングヘイローを・・・と思ったが、
ゲーム内では既にいない。
じゃあ、キングヘイローの直子を、と探したところ・・・
柳 「い・・・いない(汗)」
キングヘイローのサイアーラインは既に途絶えていた。
苦肉の策で選んだのは同じリファール系、
ダンシングブレーヴの系譜を受け継ぐニホンピロアワーズ。
母父もヘイローという事もあり、
個人的にはそれなりに本物のマインダダに似せた・・・つもりである。
そして生まれた馬が・・・
本プレイ日記の主人公【マインダダアゲイン】。
マインダダ、再び・・・。
ゲームを舞台に、再び彼の魂が競馬場で躍動する。
しかし、ゲームをオート進行させたら勝手に母馬である
アドマイヤメイドを売っ払われて、
結局庭先取引で手に入れる事に(汗)
母馬を買い付け、自分で配合を施し、
そして他人に産ませてわざわざ買い取る羽目になるとは(苦笑)
買値は4000万円。
柳 「ん〜高い。いや、高過ぎるw 佐賀競馬だと100勝くらい
しないとペイ出来ないんじゃないのかw?」
本物と似通った配合にしたつもりだが、こうまで金額に差が出るとは。
随分と吹っ掛けられている気がしてくるw
さて、デビューを前に調教は順調に進む。
適正は【ダート】でなく【芝】。
成長タイプは【晩成】のようだ
余談だが、本物のマインダダも、最後までダートに適正があったとは
思えなかった。
馬込みを嫌い、毎回後方の離れたポジションからの競馬。
柳 「前を走る馬の跳ね上げる土を被るの嫌なのか?」
などと、隊長と会話した記憶がある。
JRAで勝ち上がれなかった宿命とは言え、現実は厳しい。
そうこうしているうちにデビューが決まった。
阪神開催の2歳新馬戦。
【晩成】ながら12月デビューとは、調教師も随分と乗り込んで
くれたようだ。
堂々たるパドック周回。新聞紙上でもいくつも印が付いており、
これは初戦から期待出来そうだ。
柳 「さぁて、マインダダアゲイン。うまくやれよ」
2番人気を背負いスタート。
生まれ変わったダダ、マインダダアゲインは先代と異なり
先行で競馬を進める。
柳 「本家への皮肉かw随分と競馬が上手いじゃないか」
これなら!と思ったものの・・・
結局、直線では弾けず4着惜敗。
まぁ、初戦はこんなものか。
しかし、その後も立て続けに敗戦を重ねる。
GT戦線で大活躍する姿が見たかったわけじゃないが・・・
しかし、勝ち上がりでこんなに苦労するのも
久しく記憶が無い(汗)
柳 「いや〜・・・似るもんだな(苦笑)」
世界レベルの調教施設でビシバシ鍛えたマインダダアゲイン。
だが、勝利は遠い。
因みに、現実のマインダダは僅か3戦で中央の舞台から
見切りをつけられていた。
それを思うと、この躓きは恐怖である。
柳 「まぁ、【晩成】だしなぁ・・・」
長い目で見るか。
考えを切り替えようと思った矢先、ミニイベントが発生した。
「マインダダアゲイン、勝てるよね?」
競馬場に来た少年が、マインダダアゲインに熱視線を送っている。
傍らには金髪美人。
なかなか大胆不敵なナンパであるw
柳 「末恐ろしいガキだなw」
≪正体はプレイヤー(馬主)の孫と秘書です≫
「この声援は心強いかもしれませんね」
ファンの夢を乗せて走る競走馬。
図らずもこの日のマインダダアゲインは一番人気(!)
こちらが知らず知らずのうちに、初勝利の舞台は
整っていたようである。
マインダダアゲイン初勝利!
夢にまで見た光景だ。
ダダが、JRAで勝ち名乗りを受けている・・・。
柳 「やりましたよ隊長・・・くくっ(涙)」
少年もこの勝利を喜んでいる。
皆の笑顔が溢れる。
・・・隊長のこんな姿が見たかったなぁ。
「競馬がもっと好きになっちゃったよ!」
競馬には人を惹き付けるこんな力がある・・・のだろうか。
ともあれ、マインダダアゲインの未来に、明るい光が差し込んだ。
柳 「この時期(3歳3月)の初勝利・・・上手く連勝出来れば
クラシック戦線に滑り込めるか?」
期待を込めた次戦。特別レースに出走したマインダダアゲイン。
ここで勝てれば一気に出世の道が開ける。
柳 「頑張れアゲイン!本家の無念を晴らす時だ!」
で、見事に敗れ去った(汗)
まぁ、流石にこんなものか・・・。
時々、本物のマインダダと似たようなレースをやらかすアゲイン。
後方に位置付け大外ブン回し。
そして届かない・・・。
柳 「うげ・・・前世の記憶が暴れとるんか(苦笑)」
騎乗した騎手のこのコメント。
柳 「だったら前で競馬せんかい(汗)」
その後も苦戦が続く。騎手、調教師、ファン。
多くの人間が携わり、競走馬は走っているのだとつくづく思う。
3歳時通算11戦1勝。
兎にも角にも勝利を掴み、首の皮が繋がった事は大きい。
が、ここから2勝目が遥かに遠かった(汗)
4歳時通算21戦1勝。
どうでもいいが、本物のマインダダは3歳9月の時点で
24戦を走り抜いた。
地方競馬の過密出走スケジュールは、実に凄まじい・・・
更に1年。5歳時通算28戦1勝。
勝てない・・・。
人々の願いも虚しく、とにかく勝てない。
柳 「・・・つって、本家ほどじゃないにせよ数走ってんな(汗)」
ぶっちゃけ脚は遅いが身体だけは頑強だ。
放牧など挟まず、レース間隔を適度に開けるだけでガンガン
出走していく。
泣かせてくれる。なんとも馬主思いの競走馬だよ。
「マインダダアゲインの良さが分からないなんて、どこに
目をつけてるんだい?」
ぼんやりゲームを進行していると、変わったイベントが発生した。
プレイヤーの息子二人(騎手)が、レース前にいがみ合っているのだ。
柳 「・・・こう言っちゃなんだけど、お前本当にアゲインの良さが
分かってるのか(苦笑)?」
謎の自信ではあったが、しかしレースではその虚勢が炸裂する。
先行からの末脚勝負が決まる。
マインダダアゲイン、実に約3年ぶりの勝利であった
家族の絆で挙げた勝利・・・とでも言うのだろうか。
≪他人の秘書に手を出すんじゃねぇw≫
居合わせた他の馬主も賞賛する勝利であった。
・・・しかし、その後のマインダダアゲインは再び低空飛行に戻る。
結果は伴わないが、数だけは走る。
隊長は本物のマインダダを、
「いっぱい走ってくれて、いっぱい応援出来た。ありがとう」
と称している。
・・・泣けるコメントじゃあないかい(涙)
マインダダアゲインにも、一人くらいそんな素敵なファンが
ついただろうか。
6歳時通算35戦2勝。
7歳時通算45戦2勝。
柳 「さすがにもう引退か・・・?」
と、調教師に相談すると
「成長は今まさにピークに来ています。しばらく
この調子を維持できそうですよ」
まだまだ走れると、この返答だw
8歳時も果敢に現役続行。
8歳初戦でまさかの3勝目を上げ、マインダダアゲインは走る、走る。
大した休養も挟む事無く、走り続ける。
柳 「これだけ走って、これだけ負けられたんじゃ・・・
隊長みたいなファンの財布もオケラだったろうなw」
それでも隊長は笑ってくれるだろうか。
楽しい応援の日々をありがとう、と。
そして、遂に最後のレースを迎える。
本作ウィニングポスト8では、9歳を迎えると強制的に引退となる。
その時がやってきた。
調子は最後まで絶好調。
最後の最後までタフな馬だ。
これは勝手な思い入れでしかないが、
アゲインの姿からは走る喜びを感じてならなかった。
本物のマインダダが、もっと走りたかったのか、それとも違うのか。
それは分からない
ただ、燃え尽きる前に競馬場を去ったマインダダの無念の分も、
アゲインは走り続けた。
ひたむきに、ひたすらに、遠い勝利に翻弄される事無く、
競走馬生活を貫いた。
14着。
名もなき競走馬の、誰からも見送られる事も無い、
静かな引退レースだった。
ただ、調教師だけは声を詰まらせ、マインダダアゲインを労った。
きっと、初勝利を上げた日の事や、
歴戦の日々が、懐かしく脳裏を過ぎっていたのかもしれない。
ありがとうマインダダアゲイン。
誰よりもこの馬に寄り添った彼だけは、
アゲインが厩舎を後にする時、涙の一つでも落としてくれただろうか。
引退時成績53戦3勝(3-1-2-47)。
総賞金は自身の値段を超えた5099万円だった。
引退後の用途は【乗馬】。
勿論、乗馬用として第二の人生を生きるサラブレッドは存在する。
ただ、レースの為、闘争心を極限まで強化された
サラブレッドという品種。
その馬が乗馬に向いているか否かは、議論の余地は無い。
柳 「・・・ま、ゲームだしな」
『ゲームだから』
思いを口にして選ぶほど、それは違和感でしかない選択だった。
マインダダアゲイン。
ただただ温情により、馬主の所有する繋養牧場【長剣ファーム】へ
種牡馬入り。
恐らく、彼が自身のサイアーラインを繋ぐことは無いだろう
願うはただ、静かな余生を過ごさんことを・・・。
柳 「しかし・・・」
柳 「健康と精神力がMAXで、パワーも根性も賢さも
兼ね備えている・・・
おまけに【タフネス】のスキルか。なんて頑強なw」
対照的にスピードと瞬発力は皆無(苦笑)
よくぞこの鈍足で、JRAを戦場に6年も戦い抜いてくれたものだ。
きっと、ガードリーダー隊長も、こう彼を称えてくれると信じている。
「佐賀競馬なら、15勝は出来た」
と。
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柳 「一応格好はついたカタチだけどな・・・」
柳 「なんつ〜か・・・虚しいな、ゲームで無念を晴らそうとしても」