※このプレイ日記は2013年10月11日に後援者のさんが製作したものです。













私は轟(とどろき)

どこにでもいる格闘ゲームプレイヤーだ。

今日も私は宿敵たちを倒すため、最寄のゲームセンターで修行していた……。






















ぐっ!



ヒャッハー! ようやく轟を潰してやったぜぇ!



きさま……。この
ハイパースト2ダッシュベガを選ぶとは、プライドはないのか!

このキャラが相手では駆け引きにならんのだぞ!



文句だったら調整を失敗したカプコンに言うんだな。勝てばよかろうなんだよ。



ちいいっ! スト2戦士の風上にも置けんヤツ!



にいさん……。



わかっている。ヤツを本気で叩きのめすことにした。

こうなれば私もDベガを出すぞ!



にいさん、そういうことではないの。

きょうはもう、戦いを続けられないわ……。



何を言っている! このまま引き下がれというのか!




















「にいさん……もう、100円がないのよ。お小遣いを使い切ってしまったわ。」













「!!」








どうした轟。逃げるのか?



……。



ひゃっはっはっは! 今日は俺様の勝ちということだなァ!



覚えていろ! 貴様は次回打ちのめす!





















轟は前回、父に小遣いを切られてからというもの慢性的なクレジット不足に陥っていた。

例え対人戦で連勝できるプレイヤーでも、CPU戦を長時間続けられるスキルがなければ

それは湯水のごとく消えていく。

格闘ゲームプレイヤーにとって最も大切なクレジット……。

それが少なくなった今、轟に待っていたのは連敗地獄であった。






くそっ……! クレジットさえあれば逆転できたものを!



にいさん……。Dベガが相手じゃ、しょうがないわ。



そういう問題ではないのだ……! DベガでやられたらDベガでやり返す。

ハイパ2はそういう不毛な部分を含めて愛すべきゲームだ。

それができなかった今、私は戦士とは呼べぬ……。



……。



このままではいかん。あそこに行くぞ。



にいさん、まさか……!



ああ……! あの人のところだ……!
























―某所―








おじいちゃん! おじいちゃんはいるか!



……なんじゃ。


















―轟の祖父―










おお、とどろきかい。久しぶりじゃのう。



おじいちゃん……単刀直入に言おう。

小遣いをくれ!!



出たわ……困ったときのおじいちゃん……! 

でも確かに、この方法なら確実にクレジットをゲットできるわ。にいさん、考えたわね……!)



……嫌じゃ。



な、なにィ!! おじいちゃん、なぜだ!



この間のお盆、帰って来なかったじゃろう。



あ、あれは会社の研修で……!



うそをつくでない。
あやつから事情は聞いておるわい。











(ち、父上か……! おのれっ!)



先祖を大事にせん孫にやる金はないぞ。



おじいちゃん、聞いてくれ。確かに私は
「レッド・デッド・リデンプション」にハマって

お盆は帰省することができなかった。

だが、だからこそ! その時に渡すべきだった金が残っているのではないのか!?



……ほう。なかなか言うようになったのう。

ではひとつ、条件を設けよう。



助かった。条件はなんだ?



リドウシを倒せ。



!?

















第844弾



ケルナグール

轟け!飛燕脚













 

リドウシ。

第782弾「ケルナグール」において轟が完敗を喫したキャラクターである。











おじいちゃん、なぜリドウシのことを……。



わし、あのサイトのファンじゃもん。お主のプレイ日記は勢いばっかりじゃ。

もっと
「ゲームレビューの間」時代のような面白いヤツは書けんのか。

ネオ作戦みたいなヤツをもっとやれい!

クックーとモルテガを直属部隊に入隊させよ!



(しかもけっこうな古参だわ……!)



ともかくじゃ。お前はリドウシに負けた状態で逃げておる。

わしにはリドウシの声が聞こえるようじゃよ。
「轟よ、逃げるのか」とな。



……!



リドウシは待っておる。お前の挑戦を。ならば受けて立つのが男というものじゃろう。

15ケンシを使い、99敗するまでにヤツを倒すのじゃ。



……確かにな。わかった。戦いを受けよう。



おっと、失敗したときのリスクを設定しておらんかったな。

100敗したら……わしの会社に就職せい。









































さらばだ……。







ああッ! にいさんが勝手にオチに持っていこうとしている!



獣王よ! ヤツを逃がすな!























こうして轟はゲームをスタートさせた。


















それで、キャラクターはどうするの?








無粋な質問だな。前回の戦いで友となった
ハーヤンに決まっている。



でも、にいさんは前にそれで99敗したのよね。

ミンタイツとか、もっと強いキャラクターの方が……。



キャラの強い弱いで選ぶ人間は二流よ。

ハーヤンでリベンジだ! ゆくぞリドウシ!












リドウシは隠しキャラクターなので、パスワードを入力する。

パスの末尾を
「べ」にすればオーケーだ。















この赤い胴着……できれば見たくなかったものよ。

だが引き下がれれぬ! ゆくぞハーヤン!















……。



……。










 

第一戦。開始直後、リドウシの猛ラッシュでハーヤンは何もできずにダウン。

15ケンシ最速のシェンソクよりも速く重い攻撃。

これが「赤き悪魔」ことリドウシの実力である。


















つ、強すぎる……。リャンミンやミンタイツの比ではない。

そうだ、私はこの連続攻撃に太刀打ちできず、敗北を喫したのだったな。



技の正確性も完璧だわ。



ほほーっ、やはり強いのう。こいつはプレイ日記にうってつけの相手ではないか。



そういう気遣いはいい……。

とにかく、前回ハーヤンで確立した戦法で戦ってみるか。














轟ハーヤンは前回、多くの敵を葬った
下段戦法に切り替える。














しかし、通じることなく
連続パンチで逆に葬られる結果に。

その光景はもはや「拳法勝負」ではなく「ただのリンチ」であった。












ぐうっ! 戦闘力が違いすぎる。
もはや同じゲームのキャラに見えんぞッ!



にいさん、落ち着いて。ミンタイツを倒した時の
「ずらし攻撃」を試してみましょう。

















お次は、現時点でケルナグールの最強攻略法といえる
「重なってずらし攻撃」

すると、意外にもリドウシはこれに対応できず、ライフを大幅に減らすことに成功。











き……効いたぞッ! 

負けはしたが、ミンタイツの時のような圧倒的な力は感じられなかった!



でもにいさん、今のはたまたまに見えたわ。



何を言っている! リドウシ、貴様の攻撃はすでに見切った!

10敗以内で勝負を決めてやるッ!



……。
















 


しかし、現実は甘くなかった。

リドウシの攻撃の正確性は半端ではなく、ハーヤンは次々と屍を並べる。










 

気づけば怒涛の41連敗……。やはりさっきの戦いはたまたまであった。










にいさん、調子に乗ってはいけない。



わかっている……。ハーヤンではやはり厳しいか。



あとがなくなってきたのう。さてどうする?



できれば使いたくはなかったが……こうなれば!



















Trrrr……Trrrr……






わたしだ。



ガードリーダー、リドウシの倒し方を教えてくれ。



にいさん、ライバルである隊長さんに電話だなんて……!



プライドを捨てたな。ここからのヤツは強いぞ。

それはそれとして、あとで隊長さんの番号を教えてくれ。



リドウシか……。
「きゃく」はどうだ?



「きゃく」か……。あんたは勝てると思うのか?



わたしなら余裕で倒せる。



ふっ、さすがだな。だが
「きゃく」は隠しキャラだ。15ケンシの中ではどうだ。



15ケンシ……ならば道はひとつだ。



誰だ?



自分で考えろ。ヒントだけやろう。

リドウシただひとつの弱点……それは、空にあり。ではな。



!!















電話を切った轟は、何も言わずキャラクター選択画面に戻る。



にいさん、今の内容でわかったの?



……感謝するぞ、ガードリーダー。

空を絶ち、空を制す……。そんなことができるやつは一人しかおらん。















リャンミン! お前だッ!






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